科学ニュース

遺伝子のタイムカプセル

ツシマヤマネコやヤンバルクイナなど絶滅の恐れがある哺乳類、鳥類、魚類の細胞や遺伝子を50年以上保存する施設「環境試料タイムカプセル棟」が、独立行政法人・国立環境研究所(茨城県つくば市)に完成し、31日公開された。これらの細胞をもとに将来、…

BSEに感染しない牛

キリンビールは30日、BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)に感染しない牛を遺伝子操作によって誕生させたことを明らかにした。BSEに感染する原因であるたんぱく質の一種、プリオンを生まれつき持たないのが特徴だ。米バイオ企業ヘマテック社と共同研究した…

最も若い惑星・・・100万歳

米航空宇宙局(NASA)は27日、地球から約420光年離れた星の近くに、できてから100万年前後しかたっていない“赤ちゃん惑星”が存在する可能性が高いと発表した。 地球が誕生したのは約45億年前。これが惑星と確認されれば、これまでに見つかった…

国連、遺伝子組み換え作物に積極的評価

国連食糧農業機関(FAO)はこのほど、遺伝子組み換えを含む農業バイオ技術について、「生産者や消費者が得るものは大きい」と積極的に評価する報告書を発表した。組み換え作物の安全性を疑問視する反対派から、反発を受けるのは必至とみられる。 FAOは…

金メダリストの“卵”発掘へ、一流選手の遺伝子分析

国立スポーツ科学センター(東京・北区)が、一流スポーツ選手に共通する遺伝子の探索に乗り出す。 才能豊かな金メダリストの卵の発掘に生かすのがねらい。 文部科学省や日本オリンピック委員会(JOC)にも協力を求める。トップ選手の運動能力や筋肉量に…

頭に謎の穴「草食恐竜」

頭部に謎の穴が開いた珍しい大型草食恐竜の新属新種化石が、米モンタナ州南部の約1億5000万年前(ジュラ紀後期)の地層から見つかった。米ペンシルベニア大のチームがポーランドの専門誌の最新号に報告した。化石は、頭部や尾、上腕、足の一部など全身…

人間の「胚」作製、主張平行線で報告書提出延期

成長すると赤ちゃんになる胚(はい)を研究目的で作製する是非を検討している総合科学技術会議生命倫理専門調査会(薬師寺泰蔵会長)は20日、クローン技術規制法の付則が定めていた期限(6月6日)までに最終報告書をまとめることを断念し、7月中の最終…

<17年ゼミ>羽化が本格的に始まる

17年ごとに米東部で大発生することで知られる「17年ゼミ」の羽化が本格的に始まった。6月末にかけ数十億匹が羽化するとみられており、今年の米東部はセミの鳴き声で騒々しい初夏を迎えそうだ。AP通信によると、羽化は首都ワシントンDCのほか、バー…

ブドウの色の仕組み解明

ブドウに赤と黄緑の品種があるのは、色を出す遺伝子がふさがれているかどうかの違いによることを農業・生物系特定産業技術研究機構果樹研究所の小林省蔵上席研究官らが解明し、14日付の米科学誌サイエンスに発表した。 小林上席研究官は「ブドウなど果物は…

「卑弥呼の鏡」を3次元データ化のシステム開発

「卑弥呼の鏡」とも呼ばれる謎の鏡、「三角縁神獣鏡」を3次元の電子データ化し、デジタルアーカイブ(電子博物館)として世界各地で活用できるシステムを奈良県立橿原考古学研究所などの研究グループが開発した。出土したすべての鏡の半分にあたる約200…

世界で初めて人工的に小脳を作る

東北大学加齢医学研究所の小椋利彦教授らのチームが、ニワトリの小脳の形成に重要な働きをする遺伝子を突き止め、この遺伝子を使って世界で初めて人工的に小脳を作ることに成功した。正常な機能を持つかどうかは確認されていないが、機能を果たすのに必要な5…

人類最古?79万年前の火の使用跡

約79万年前には人類が火を使っていたことを示す、これまでで最古の証拠が、イスラエル北部の「ゲシャー・ベノット・ヤーコブ遺跡」で発掘された。石器やオリーブの木、野生のブドウの木片に、高熱で焼けた跡が残っていた。30日付の米科学誌サイエンスで…

「ノアの方舟」の正体は? 探検隊が調査へ

旧約聖書創世記に登場する「ノアの方舟(はこぶね)」の残がいか?――トルコ東部アララト山の山腹に横たわる巨大な構造物を調査するため、7月に米国とトルコの共同探検チームが出発する。 アララト山は標高5000メートルを超えるトルコの最高峰。昨夏の猛…

コアラ、2万匹“退治”計画

オーストラリア南部のカンガルー島でコアラが大繁殖し、「生態系を守るために銃で2万匹を駆除すべきだ」との声が高まっている。 動物愛護団体はもちろん反対だ。州政府もイメージダウンを恐れている。だが、地元観光業界から、「このままでは取り返しがつか…

35億年前の微生物の痕跡?

約35億年前、海中で冷えた溶岩を微生物が食べながら掘り進んだ――こんなことをうかがわせる痕跡を、ノルウェーのベルゲン大などのチームが南アフリカで見つけた。 微生物のようにやや複雑な生命が地球に誕生したのは35億年以上前という説を強める発見で、…

相対性理論の「予言」検証する衛星

巨大な質量をもつ物体の周囲では時空がゆがんでいる――。物理学者アインシュタインの「予言」を観測するため、米航空宇宙局(NASA)は20日、人工衛星GP―Bをバンデンバーグ空軍基地(米カリフォルニア州)から打ち上げた。 うまく行けば、1年半ほど…

「太陽は地球の周りを回っている」…小学生の4割

小学生の4割は「太陽が地球の周囲を回っている」と思っている――。国立天文台の縣(あがた)秀彦助教授らが行った調査で、天文現象に対する子供たちの理解の乏しさが浮き彫りになった。調査は2月、長野市と北海道上富良野町の公立小学校の4、5年生計11…

民間の全頭検査認めず BSEで米農務省

AP通信によると、米農務省は8日、牛海綿状脳症(BSE)発生で停止している牛肉輸出の再開問題で、米民間業者が求めていた自主的な全頭検査の承認を拒否した。 民間業者は自ら全頭検査を実施することで日本向け輸出の再開を目指していた。米政府は全頭検…

一般相対性理論「時空のゆがみ」検証へNASAが衛星

米航空宇宙局(NASA)は2日、20世紀を代表する天才物理学者アインシュタイン博士が予言した「時空のゆがみ」を観測するため、地球を周回する衛星を17日に米カリフォルニア州の空軍基地から打ち上げると発表した。1916年に博士が発表した一般相…

富士山、実は4階建て

小御岳(こみたけ)、古富士の2つの古い火山の上にできたとされていた富士山の地下に、小御岳よりさらに古いとみられる第4の火山体があることが3日までに、東大地震研究所のボーリング調査で分かった。氷期の噴火で山頂氷河が解け、繰り返し発生したとみ…

クローン人間、米で全面禁止勧告

米大統領生命倫理評議会は1日、体外受精や着床前診断など先端的な生殖補助医療の規制強化やクローン人間の法律による全面禁止を政府・議会に求める勧告を発表した。先端的な生命科学に対する包括的な規制方針は米国で初めて。勧告は生殖補助医療の問題点を…

携帯の“光と影”を研究〜ドコモが研究所設立

「携帯電話がもたらした社会的・文化的影響を、光と影の両面から研究したい」ドコモは4月1日、モバイルコミュニケーションの社会・文化的影響を中立的に研究する「モバイル社会研究所」を設立した。所長には東京大学名誉教授の石井威望氏が就任、外部から理…

火星にメタン、生命体が放出?…欧州探査機が検出

欧州宇宙機関(ESA)は30日、火星を周回している探査機マーズ・エクスプレスが、火星大気中に微量のメタンを検出したと発表した。火山か生命体から放出されている可能性があるという。火星の大気は95%が二酸化炭素で、残りは酸素や水蒸気から構成さ…

半世紀ぶりに「新種」認定されたカタツムリ

香川県牟礼町の五剣山で1953年に発見されたカタツムリ「イソムラマイマイ」がこのほど、日本貝類学会誌「ビーナス」に記載され、半世紀を経て正式に新種と認知された。 高校3年生の時に採取した高松市郷東町の無職礒村貞成さん(69)は自宅で病気療養…

種子の休眠解除遺伝子を発見

植物の種子の休眠状態を解除し、発芽させる遺伝子を発見したと、理化 学研究所植物科学研究センター(横浜市)の研究チームが26日、欧州 分子生物学機構の機関誌「EMBOジャーナル」の電子版に発表した。 雨が多い日本では、収穫前の小麦が発芽してしま…

人類は「あご」の遺伝子変異で進化

人類の脳が大きくなった原因につながる遺伝子を、米ペンシルベニア大 などの研究チームが突き止め、25日付の英科学誌「ネイチャー」に発 表する。 この遺伝子は本来、類人猿の強じんなアゴの筋肉を作る働きがあった が、人類では偶然、約240万年前に機…

火星には海があった

米航空宇宙局(NASA)は23日、当地の本部で記者会見を行い、火 星探査車オポチュニティーの岩石調査によって、火星にはかつて塩分を 含んだ海が存在し、オポチュニティーの着陸したメリディアニ台地は沿 岸地帯に相当する場所だったとみられると発表し…

原始生命に近い細菌群

日本の潜水調査船「しんかい6500」が、インド洋の深海底(水深約 2500メートル)で、地球で最初に誕生した原始生命に近い細菌群を 発見した。 海洋科学技術センターと北海道大の共同研究グループの調査。300度 以上の熱水と共に水素が噴出する「…

太るブラックホール

ブラックホールはどうやら「太っていく」らしい。 2月27日に行われた講演会「ブラックホールのナゾに挑む」で田中靖郎教授(マックスプランク研究所)は「ブラックホールがどんなプロセスで大きくなっていくかが今、旬な話題」と語っている。 ブラックホール…

<たんぱく質>頭を柔軟にするものを理化学研チームが発見

頭を子どものように柔軟にして、視覚能力を発達させるたんぱく質を、 ヘンシュ貴雄・理化学研究所チームリーダーらが発見し、12日付の米 科学誌「サイエンス」に発表した。言語でも同様の物質が存在する可能 性が高まった。ヘンシュさんは「大人になっても…