国連、遺伝子組み換え作物に積極的評価


国連食糧農業機関(FAO)はこのほど、遺伝子組み換えを含む農業バイオ技術について、「生産者や消費者が得るものは大きい」と積極的に評価する報告書を発表した。

組み換え作物の安全性を疑問視する反対派から、反発を受けるのは必至とみられる。

FAOは報告書の中で、バイオ技術は(1)農業従事者の生産性と収益を高める(2)食糧の供給を増やし、価格を下げる(3)作物の栄養価を高める――などの面で、世界の食糧事情の向上に寄与していると指摘。「飢餓対策の特効薬ではない」としながらも、その利点を強調した。

遺伝子組み換え作物などによる健康への影響については、「現在市場に出ているものは安全」との判断を示した。

さらに、中国では殺虫剤や除草剤のいらない品種の登場により、農民の健康状態が改善されたとの例を挙げている。

また環境への影響を懸念する声に対しては、「専門家の意見も分かれるところで、今後さらに研究が必要」と述べるにとどまった。

報告書は一方で、民間企業による遺伝子組み換え技術の開発が商品価値の高い大豆や綿花に偏り、南米など一定の地域に集中しているとの問題点を指摘。

貧困層の主食として重要な米や小麦、じゃがいもなどが軽視されていると述べ、各国政府に配慮を呼び掛けた。

遺伝子組み換え作物をめぐっては、環境保護団体などが健康や環境への悪影響を理由に反対運動を展開している。

国際団体グリーンピースのドリーン・スタビンスキー博士は「飢餓問題の解決に必要なのは技術ではなく、政治的意思と適切な政策だ」と語り、FAOの姿勢を批判した。



いずれにしても、もう遺伝子組替え作物は珍しくもなんともなく、政治的戦略、企業戦略にすらなったということだ。

そして、いつかは単なる「価格競争」にまでいって、世の中に定着し、僕たちは全てを忘れる。