部下のやる気は上司次第 (1)

企業はそこで働く従業員は、つまり「人」によって構成されています。 どんなに優れた戦略をコンサルティング会社に描かせても、どんなに費用を莫大に使っていても、それを実際に有効なものに仕立てていくのは、現場の従業員です。 そして彼ら・彼女らの中に…

●治験のあり方を考える(9)最近の治験活性化活動

昨年、「新たな治験活性化5ヵ年計画」が公表された。 また、厚生労働省のその他の活動としても「治験のあり方検討会」「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」などがある。これらの成果としていくつかのことが既に現れてきた。例えば「治験拠点…

●治験のあり方を考える(8)オーバークォリティー問題を考える

昨年、治験業界の界隈で話題になったこととして「オーバークォリティー」がある。 これは「え!そこまでやるの?」的、書類上の問題だ。 CRFへの医師のコメントの過剰なまでの求め方や治験関連の書類、必須文書関連の書類の残し方などを過剰にすることを一般…

●治験のあり方を考える(7)日本の治験の促進方法(4)

僕が治験を行う医師に求めているのは「『新薬を世の中に出す』ことにモチベーションを感じて没頭してもらう」ことだが、そうなると、「なんだよ!製薬会社は金儲けするために治験をやっているのに、医師のほうにだけそんなことを求めるのか?!」と突っ込ま…

●治験のあり方を考える(6)日本の治験の促進方法(3)

「治験の意義」はもちろん、新薬を世の中に出すためのデータ収集である(安全性も含めて)。 治験の意義は、この一点につきる。(ただし、「治験“参加”の意義」は患者個人、一人ひとりによって違ってくるだろう。それはそれで無論、問題無い。) この治験の…

●治験のあり方を考える(5)日本の治験の促進方法(2)

治験が開始される場面は、まず医師が患者に治験に参加する意思がないか、打診するところから始まる。 だから、どれだけ医師が患者に治験参加について打診したか、に治験促進はかかっている(と言うことは、医師と患者の間に立つCRCにも最終的には治験促進…

●治験のあり方を考える(4)日本の治験の促進方法

各製薬会社、治験依頼者は少しでも治験を促進させるために様々な方法をこれまでにも取っている。 例えば、新聞や折込広告、インターネットのウェブサイトなどに「創薬ボランティア募集」の案内を出す。 これは僕の経験から言って、それなりの効果がある(と…

●治験のあり方を考える(3)日本が国際共同治験に参画できるように

この現状をどう乗り越えるか?製薬会社が日本で率先して治験を行うようになるにはどうしたらいいのだろうか?それは、もちろん、それだけのメリットが日本の治験実施に有ればいいのだ。製薬企業における治験の課題は1.スピード、2.コストだ。 コストはも…

●治験のあり方を考える(2)新薬の世界同時開発を考える

ところで、このように海外で治験を先行させ、もしその結果が良ければ日本国内で治験を開始する、というやり方は海外諸国から非難の対象になることも考えられる。つまり、「危ない」治験を海外の人で試して、もし安全で有効なら日本国内で治験をやるというこ…

●治験のあり方を考える(1)製薬会社の正直な気持ち

「治験のあり方」を考える。治験はどうあるべきなのだろうか?まず、治験に参加していない一般的な患者(つまり、普通のひと全て)にとって、治験は「新薬開発の場」であり、とにかく、早く画期的な新薬を世の中に出して欲しいと思うものだ。なにしろ、僕だ…

史上最強のチームとは?

大阪で開催されている世界陸上で、日本の4*100mリレー、男女とも入賞を逃したものの日本新記録を出した。 (特に日本の男子は決勝でもかなりいい線までいったよね。)陸上競技は基本的に徹底的に個人競技だが、このリレーと駅伝に関して言うとチーム競…

治験担当モニターに向いている人とは

インターンシップや就職活動の補助などのため、学生との係わり合いが多くなってきた。そんな中で必ず学生から出てくる質問は「治験担当モニターに向いている人とは?」というものだ。どんな性格の人がモニターに向いているのか、モニターになるために必要な…

それは治験参加者に失礼だ!!

▼『治験対象母集団の選択・組み入れ基準』 カッコ亀井「じゃ、今日は治験の総括報告書の『治験対象母集団の選択』から検討していきます。」MT「まず、最初に『組み入れ基準』ね。プロトコルで言うならば『選択基準』です。ここでは、その設定根拠、理由を説…

予想以上のインターシップ参加学生

今日で3日間のインターンシップが終わった。参加した学生は予想以上に「しっかり」していて「できる」学生だった。インターンシップが始まる前は、カリキュラムを見ながら「ヘルシンキ宣言」のレクチャーなんて寝るだろうな、ましてや「GCP概論」なんて、法…

ワクチンに関する2つのニュースとドラッグ・ラグ

最近の医療関係ニュースを見ていたら、たまたまワクチン関係のニュースが2つ並んでいた。「国産ワクチン開発 国立感染研など協議会設立へ」と「子宮頸がんの新しい予防ワクチン、効果は9割」という対照的なものだ。 ワクチン製剤はそもそも、普通の製薬会社…

CRO業界で働いて分かったこと。感じたこと。期待すること。

この7月で、僕もCRO業界で働き始めて4年になる。 そこで感じたことは、治験の進め方にも製薬会社によっていろんな方法があるもんだ、ということだ。もちろん、基本的なやり方は大きく変わることは無いのだが、細かい点になると各社各様。 プロトコルの作り…

とことん治験の質「問題」の「周辺」にこだわってみる

以前、ここで日本の治験の質が低いとはどういうことかを触れた。(2007/05/19『オーバークォリティ』を考える)今週はさらに日本の治験の質が低いとはどういうことか、考えてみたい。 まず「治験の質」と言ったときの「質」とは何か?いろいろ考え方はあるが…

治験プロジェクトを完遂させる方法

今回のタイトルは本当なら「治験プロジェクトを“成功”させる方法」と書きたかったのだが、治験の場合、どうあがいても失敗することも多々あるので、とりあえず最後までメンバーの全員がモチベーション高く完遂させることを考える、というタイトルにした。今…

『コンパッショネートユース(CU:Compassionate Use:人道的使用)』

現在、厚生労働省の「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」が未承認医薬品をいかにして、迅速に安全に患者へ届けるかを検討している。 今日(2007/07/01)現在、第8回まで検討が終了している。この検討会の中で一部の未承認薬については『コン…

患者をあきらめない治験

長いこと治験の業界に足を突っ込んでいると(と言っても、たかだが10年程度だが)、「あの新薬はまだ出ないの?」とか「あの治験はどうなったんだろう?」とか「期待されていたあの新薬の開発はどうなっている?」という話を聴く。 実は僕も個人的に期待し…

あなたが担当している治験の意義は?(一般論を具体論にブレイクダウ

新入社員の導入研修に一区切りがついて、ホッとしているホーライです。ところで、その導入研修の仮免試験とでも言うべき「面接試験」の試験官をやった。 約2ヶ月の導入研修を終えた新入社員に対して、どの程度、GCPや治験、プロトコル等の知識があるか、…

GCPを学問にしないこと

先日、友人と話していたら、その友人から出てきた言葉に感心した。 それは「GCPを学問にしている人がいる。でも、GCPは学問じゃない!」 なるほど、と思った。 まさに!と大きく同意した。GCPは法律なので、言葉遣いが難解で、シチ面倒くさく、硬い文章にな…

■今週のテーマは「モニター面接試験を受ける」です。

ラディッツ赤木「え!僕がモニターの面接試験を受けるんですか?」有馬街道「そうみたいだね。デーモン部長がやるって。」ラディッツ赤木「うち、CROじゃないですよね?」バカボン「まぁ、堅いことを言わないでやってみましょうよ。自分の知識のたな卸し…

新薬開発における『イノベーション25』

先日、『イノベーション25』の最終案がまとまった。その中に下記の記述がある。 ★イノベーションの創出・促進に関する政策は、国民一人ひとりの自由な発想と意欲的・挑戦的な取組を支援する「環境整備型」へと考え方を大きく転換していかねばならない。長…

不正行為に関する個人と組織

■今週のテーマは「不正行為に関する個人と組織」です。 くりこ「最近、会社の社長がテレビの前で頭を下げている場面を見ることが多いわね。」大黒「しかも、社会的に影響が大きい会社が多い。」社長秘書「ところで、どうして不正行為や捏造や隠し事をするの…

治験の『オーバークォリティ』を考える

先日、社内の研修で「今、オーバークォリティが治験の問題点として注目されている。」と発表したら(発表は僕ではなかった)、ある若手モニターからこんな質問が出た。 「日本の治験は質が低い、と言われているのに『オーバークォリティ』が問題というのはど…

頼るな!

「新たな治験活性化5ヵ年計画」が発表され、また「革新的医薬品・医療機器創出のための5か年戦略」も出た。 「新たな治験活性化5ヵ年計画」について、ホーライ製薬のトップページで「期待しているかどうか」のアンケートもとっている。僕はこれらの計画、…

メールでの意外な楽しみ方

Toではなく、Ccでメールが来ることも多い。質問メールの場合、基本的にはToに入っている人が答えるので、僕がCcの場合は、気楽である。しかし、僕の仕事などにも非常に密接した内容である場合、僕が主の宛先(To)になく、ついでの宛先(Cc)に…

「まず、ルールを破れ」すぐれたマネジャーはここが違う

優れたビジネスパーソンではなく、優れた組織とはどういうものか?を論じた本だ。 そもそも、優れた組織というのは共通の要素を持っているのだろうか?もし、有るとすれば、それを計る「ものさし」はあるのだろうか? アンケートや調査で有名なギャラップ社…

インターネットの終焉を予想する

以前、僕はインターネットの世界の表面積を求めたことがある。 その時に指摘したこととして、地球の表面積は増加することはないが、インターネットの世界は面積が増える可能性があると指摘した。ところが、今朝、ふと気が付いたのだが、この予想は間違ってい…