「卑弥呼の鏡」を3次元データ化のシステム開発
「卑弥呼の鏡」とも呼ばれる謎の鏡、「三角縁神獣鏡」を3次元の電子データ化し、デジタルアーカイブ(電子博物館)として世界各地で活用できるシステムを奈良県立橿原考古学研究所などの研究グループが開発した。
出土したすべての鏡の半分にあたる約200面をすでに記録。
鋳型が同じ“兄弟鏡”などについて指紋照合のように簡単に比較研究ができるようになる。
15、16両日、立命館大(京都市)で開かれる日本文化財科学会で報告する。
工業製品の品質管理に使う精密計測機を使い、文様が刻まれた鏡の背面から側面まで1面につき400万か所のポイントを計測。
文様の凹凸、それぞれの鏡に特有の傷や表面のざらつきまで微細に再現した。
パソコンの画面で光の角度を変えて文様の陰影を比較したり、細部を拡大したりすることもできる。
表面のさびや色の違いを除いて再現しており、実物を観察する以上に正確な画像が得られるという。
集めたデータには、倭の女王、卑弥呼が中国・魏から贈られたとされる
「景初3年」(239年)や、「正始元年」(240年) の年号が刻まれた主要な鏡も含まれている。
卑弥呼の顔が、もし描かれていたら、絶対に彼女は反対しただろう。
「しわ」まで、「実物を観察する以上に正確な画像が得られる」のは嫌なことだと察する。