最新医療

鳥インフルエンザ、強まる「人から人」へ感染の懸念

鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が、東アジアで猛威を振るっている。ウイルスの遺伝子解析で判明した分のデータでは、同じ型の仲間ながら、各地のタイプは過去のH5N1型と“別物”との判定が出始めている。 発生源や感染経路がわからないまま、同時…

脊髄の難病「HAM」、理解求める取り組み始まる

HAM(ハム)という病気がある。白血球に感染するウイルスが引き起こす脊髄の病気。 足がしびれたり、こわ張ったりして、歩行やトイレがむずかしくなる。全国に1500人程度の患者がおり、治療法を探る取り組みが始まっている。 患者会もでき、医療関係者を…

悪性黒色腫の男性患者に、初の遺伝子治療

信州大医学部は20日、進行期の悪性黒色腫(皮膚がんの一種)の男性患者に、抗腫瘍、抗ウイルス作用があるインターフェロンβの遺伝子製剤を注入する遺伝子治療を開始したと発表した。この治療法は脳腫瘍患者に実施した例が名古屋大であるが、悪性黒色腫に応…

新型肺炎ワクチンを臨床研究へ=世界初

新華社電などによると、中国は新型肺炎(SARS)ワクチンについて、近く世界初の人体による臨床研究に入ることになった。国家食品薬品監督管理局が19日、第一段階となる臨床研究を認可した。 臨床研究は倫理委員会の承認を経て実施される予定。 既に第…

胎盤共有児、2例は「胚盤胞移植」で妊娠

不妊治療を受け、二卵性の双子4組が1つの胎盤を共有する形で生まれた問題で、うち2組は受精卵を5日ほど培養してから子宮に戻す「胚(はい)盤胞移植」で妊娠していたことが19日わかった。胚盤胞移植は、妊娠成功率が高まるとされ急速に広まっている新…

「守護神」のたんぱく質発見=生殖細胞の減数分裂に不可欠−東大

生殖細胞から精子や卵子ができる際、染色体の数が半分になる減数分裂が順序正しく行われるよう、染色体同士の接点を守る働きをしているたんぱく質を、東大大学院理学系研究科の渡辺嘉典助教授らが発見し、「シュゴシン(守護神)」と名付けた。 研究成果は1…

クローン代理母を募集 米国の研究者が会見へ

不妊治療としてのクローン人間づくりを公言するパノス・ザボス元米ケンタッキー大教授が17日にロンドンで記者会見し、人間の体細胞クローン胚(はい)を移植する代理母の募集について発表する。英メディアが16日に伝えた。 体細胞クローン胚は皮膚などの…

ストッキングで血栓を予防 4月から医療保険を適用

手術や出産の後、血の塊(血栓)が肺動脈に詰まり、死亡する恐れもある「肺血栓塞栓(そくせん)症」について、ストッキングを使った予防法に4月から医療保険が適用されることが16日、決まった。 同日の中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)で…

繁華街にHIV検査所=土日も無料、若者の来訪狙う−大阪などに増設へ・厚労省

エイズウイルス(HIV)感染が広がる中、厚生労働省は10日、今春新たに大阪、名古屋などの中心部に、HIV検査所を設置することを決めた。 若者を中心により多くの人に検査を受けてもらう。 問題化しているHIV検査目的の献血者を減らすのも狙い。 H…

筋肉すき間細胞、組織に 東海大が成長能力確認

筋肉のすき間にある細胞は、筋肉や血管などさまざまな組織に成長する能力を持っている可能性が高いことを、東海大医学部の玉木哲朗講師(神経・筋肉生理学)らのグループが6日までに突き止めた。 胚(はい)性幹細胞や骨髄細胞などには、いろいろな組織にな…

がん撲滅へ新型内視鏡、産官連携で開発へ

経済産業省は6日、産官連携でがん撲滅に向けた新医療機器の開発に来年度から乗り出すことを明らかにした。 極めて初期のがんを発見できる内視鏡を開発するほか、ウイルス感染の心配がない人工血液の世界初の実用化を目指し、次世代の治療体制を整える。20…

実録! 新薬誕生ドラマ「男たちの挑戦」放映

日本テレビから、1月10日に新春特別番組として新薬誕生ドラマ「男たちの挑戦」が放映される。ドラマは、グローバルに承認・販売されている日本で研究開発された画期的な新薬「アリセプト」「プログラフ」の2製品をテーマに、研究者にフォーカスした製品…

<ヒト胚研究>国民の意見を募集 総合科技会議

成熟した人の受精卵(ヒト胚)を使った研究について、総合科学技術会議は26日、中間報告書を公表して、広く国民の意見を募る「パブリックコメント」を始めた。中間報告書は、研究目的でヒト胚を新たに作ることを容認し、臓器再生研究に必要とされるヒトク…

ヒト遺伝子を3万種類複製=解析成果

東大医科学研究所や協和発酵工業などは、ヒトの遺伝子を約3万種類複製し、このうち約2万1000種類の働きなどを解析した成果を22日、米科学誌ネイチャー・ジェネティクスの電子版に発表した。複製した遺伝子は塩基配列をインターネットで公開するほか…

先端医療振興センター、血管内皮前駆細胞を移植する下肢末梢血管再生治療の臨床研究が開始

財団法人先端医療振興財団は、12月17日、先端医療センターで下肢の末梢血管再生治療に関する臨床研究が開始されたことを発表した。患者から採取した血管内皮前駆細胞を下肢の筋肉中に移植するもので、わが国初の本格的な血管幹細胞移植の臨床研究だ。血管内…

インフルエンザ不足深刻

インフルエンザのワクチンが一部医療機関で不足している問題で、厚生労働省はメーカーなどに直接働きかけ、ワクチンの足りない地域へ配分してもらう異例の措置に乗り出した。 新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)対策の余波で不足が表面化した11月…

血管新生阻害薬ベバシズマブの臨床試験、わが国でも大腸癌患者対象に来年後半から開始

画期的な癌治療薬として世界的な注目を集める、血管新生阻害薬のベバシズマブ(米国での予定商品名:Avastin)の臨床試験(治験)が、わが国でも来年後半から始まることになった。開発元の米国Genentech社から、スイスRoche社を通し中外製薬に日本での独占的…

今年のワクチンは効かない?アメリカ

インフルエンザ予防ワクチンの専門家による委員会が昨冬、この冬に向けて製造すべきワクチンについて協議を行なった。選択肢は2つあったが、そのどちらも確実なものとは思えなかった。 新種のウイルスが勢力を拡大させる兆候があったとはいえ、前年の処方を…

新型肺炎のワクチン研究 国立感染症研

国立感染症研究所は15日、厚生労働省と文部科学省の新型肺炎(SARS)研究班の会議で、開発中のワクチンでマウスの体内に抗体ができることを確認した、と報告した。 ワクチンは、新型肺炎の原因のSARSコロナウイルスに紫外線を当て、不活性化したも…

背を伸ばすホルモンを確認 京大、低身長症治療に道

軟骨などで分泌されるホルモンが身長を伸ばすメカニズムを、京都大の中尾一和教授(内分泌代謝)らがマウスの実験で確かめ、15日付米医学誌ネイチャーメディシン(電子版)に発表した。先天的な低身長症の一つ「軟骨形成不全症」治療への応用が期待される…

エボラ出血熱の治療に道=米の動物実験で高い生存率示す

13日に発売される英医学専門誌ランセット最新号によると、死亡率が80%にも達するエボラ出血熱の治療法の確立に道が開かれた。 米陸軍伝染病医学研究所の研究者チームが、動物実験でエボラ出血熱の死亡率を大幅に減らすことに成功した。エボラ出血熱は、…

クローン胚の研究

人間の胚研究に対する国の方針が決まりかけている。 たまむし色だ。 倫理的な問題点で、反対派と賛成派が分かれている。 どちらも一理ある。 クローン人間誕生につながる研究は倫理的でないという反対派。 病気の治療につながる胚の研究を禁止するのは倫理的…

チンパンジーのゲノム地図概要版を公開 米国立ゲノム研

米国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)は10日、チンパンジーのゲノム(全遺伝情報)をまとめたゲノム地図の概要版をインターネット上で公表した。 http://www.nhgri.nih.gov/現在、国際共同チームが、人間とチンパンジーのゲノムの詳細な比較分析を進めて…

乳がんの術前治療

がんの手術前に行う「術前化学療法」が徐々に普及しつつある。 抗がん剤の投与で、がんの約8割が縮小し、2割前後では消失してしまう効果が見られるからだ。 現在、再発乳がんの第一選択薬として使われているタキサン系の抗がん剤ではさらに効果があること…

クローン胚作製、禁止と容認の両論併記…専門委報告

人間に成長する可能性を持つ「胚」を研究などで利用できるか検討していた総合科学技術会議の生命倫理専門調査会(井村裕夫会長)は12日、国の指針で「当面禁止」とされていたクローン胚の作製を容認する意見も入れた中間報告書をまとめた。 両論を併記する…

C型肝炎ワクチン試験へ 人対象は初、米社が開発

血液を介して感染し、肝硬変や肝がんになる恐れがあるC型肝炎の予防ワクチンを、人間に投与して安全性と効果を確かめる臨床試験を始めると米セントルイス大が17日、明らかにした。 原因ウイルス感染を防御するワクチンで、担当医師は「このワクチンが人間…

血液検査で乳がん発見

未来、単純な血液検査で乳癌を早期に発見することが可能になるとノルウェーの医療企業が4日発表した。 乳癌になった場合、癌に反応するのは患部だけでなく、血液を含め体の他の部分にも反応が現れることに着目したもの。 この方法を開発中のディアジェニッ…

新型肺炎ワクチンに前進 猿の実験で成果

新型肺炎(SARS)の原因ウイルスの遺伝子を使ったワクチンを米ピッツバーグ大と米疾病対策センターのチームが開発、猿に注射する実験で体内にウイルスに対する抗体や免疫細胞を作りだすのに、5日までに成功した。英医学誌ランセットに発表する。生体内…

合成DNA投与で筋ジス治療成功=世界初

神戸大学医学部(神戸市)の松尾雅文教授らは3日、筋肉が委縮する難病のデュシェンヌ型筋ジストロフィーの男児(10)に対し、人工的につくった合成DNA(デオキシリボ核酸)を利用した遺伝子治療に世界で初めて成功したと発表した。 治療の結果、男児に…

牛海綿状脳症(BSE)や人のクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の病原体である異常プリオンの細部構造を、岐阜大医学部の桑田一夫・助教授らが解明した。神経毒性をもつとされる部分の特徴が判明、治療薬の開発につながりそうだ。1日付の米科学アカデミー紀要電子版で発表した。

プリオンはたんぱく質の一種。脳内にある正常プリオンが異常プリオンに置き換わって蓄積され続けると、BSEやCJDになる。正常プリオンはらせん状の部分が多く、異常プリオンでは板状の部分が多いことは知られているが、細かな構造は不明だった。 桑田さ…