悪性黒色腫の男性患者に、初の遺伝子治療

信州大医学部は20日、進行期の悪性黒色腫(皮膚がんの一種)の男性患者に、抗腫瘍、抗ウイルス作用があるインターフェロンβの遺伝子製剤を注入する遺伝子治療を開始したと発表した。

この治療法は脳腫瘍患者に実施した例が名古屋大であるが、悪性黒色腫に応用するのは全国初という。信州大が遺伝子治療を実施するのは初めて。
 
医学部皮膚科学講座の斎田俊明教授を中心に、名古屋大や熊本大の共同チームが実施した。

斎田教授によると、男性患者の左臀部にある悪性黒色腫の病巣に19日、注射器で脂肪の膜に覆われた遺伝子製剤を注入した。
今後5回、注入治療をしたうえで経過を確認する。
男性はこれまで、外科手術による腫瘍切除などを受けたが、皮膚に転移を繰り返していたという。
 
悪性黒色腫にはこれまで、インターフェロンβのたんぱく製剤を投与する治療法があったが、遺伝子製剤の方が抗腫瘍物質を安定的に作ることができ、マウスによる実験でも腫瘍の増殖を抑える効果があったという。
 
進行期の悪性黒色腫は現在のところ、有効な治療法が確立されていない。

斎田教授は「遺伝子治療は慎重に行っていかねばならない。今後も症例を重ね有効性を確認していきたい」と話した。


そうね、たんぱく製剤よりは遺伝子製剤のほうが、まだ効く可能性があるかも。