胎盤共有児、2例は「胚盤胞移植」で妊娠

不妊治療を受け、二卵性の双子4組が1つの胎盤を共有する形で生まれた問題で、うち2組は受精卵を5日ほど培養してから子宮に戻す「胚(はい)盤胞移植」で妊娠していたことが19日わかった。

胚盤胞移植は、妊娠成功率が高まるとされ急速に広まっている新しい体外受精の手法だが、「胚盤胞を複数移植することに問題があるのではないか」と指摘する専門家もいる。
今回の問題は、3月に沖縄で開かれる国際学会「第4回環太平洋不妊会議」で討議される。

胚盤胞は、卵子精子と受精後、受精卵の分割が進んで5日程度たった段階をいう。
自然な妊娠では、胚盤胞に成長した1、2日後に子宮に着床する。
従来の体外受精では、受精卵の培養技術の問題から、受精から2、3日後の受精卵を子宮に移植していたが、通常の着床段階まで成熟していないため、着床率は2―3割と低かった。

最近、技術の進歩で受精卵を胚盤胞まで培養できるようになり、この段階で移植すると、着床率が50―70%に高まるとの報告もある。
現在では大学病院や多くの不妊治療機関で行われている。

しかし、通常の体外受精に比べ培養期間が長い胚盤胞移植では、人為的な介入の程度も大きく、初期胚盤胞の移植では2つの受精卵が部分的に融合し、今回のような双子の誕生につながる、との海外の報告もある。

通常、複数の胚盤胞を移植するため、従来以上に多胎妊娠が多くなるとも指摘される。
子宮に戻す胚盤胞を1つに制限すれば防げるが、着床率は低くなる。
今回の2例中、1例は卵子に針を刺し精子を入れる顕微授精を併用していた。

環太平洋不妊会議会長を務める牧野恒久東海大産婦人科教授は「問題の背景には、複数の胚盤胞移植のほかにも排卵誘発剤の使用、培養技術の問題など多くの要因が考えられる」と話している。

あら!? 牧野先生、いつのまに「環太平洋不妊会議会長」なんて要職につかれたの?

その節は安い講演料で半年も社内講演をしてもらいまして、ありがとうございました。

今でも、あのときの教材を持っていますよ。でも、一緒に教材を作ってくれた女性のモニターはアムジェンに転職してしまいました。

・・・って、牧野先生への私信になってしもうたわい。

胚盤胞移植」は、まだまだ確立した技術じゃないんだ。
不妊症のヒトへの安全で、確実な妊娠技術ができるといいね。




医薬品ができるまで
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/9874/