理科は実生活に役立たないといけないのか?(5)

どうして理科は面白くないのか?

学研の科学の付録は楽しみだった。
実験は好きだった。
顕微鏡や天体望遠鏡を覗くのも好きだった。

ところが、あるところから「理論」や「数式」が入ってくる。
電流と電圧の関係。
物体の落下速度を求める計算式。
星の位置を求める理論。

このあたりから理科が嫌いになってくる人が出てくるのではないだろうか?

宇宙物理学者のホーキング博士が書いた「ホーキング 宇宙を語る」の序文にも、こんなことが書いてある。

「ある友人から、科学の本を書くにあたって忠告をもらった。曰く「数式をひとつ入れるたびに読者は半減する」と。その忠告に私は忠実に従った。しかし、私はただ一つの数式だけを入れざるを得ない。すなわち「E=mc*2」だ。この式で読者が半減しないことを祈る」

数式や公式、理論の教え方さえ間違わなければ、理科が嫌いにならないと思う。
これは、ひとえに理科の先生の腕にかかっていると言わざるを得まい。

「E=mc*2」を生み出したアインシュタインは16歳の時に疑問に思ったことを10年後に考え始める。
その疑問とは「もし、光と同じ速度で光を追いかけたら、光は止まって見えるのだろうか。それとも光はそのまま進んでいってしまうのだろうか。」というもの。

こういう物事の本質にせまるロマンを理科の先生が生徒に伝えてくれたら嬉しい。