越後の愚僧

江戸時代、越後にある禅僧がいた。

大の子ども好きで、よく手まりをした。
かくれんぼをして、そのまま寝てしまい、村人が大騒ぎをして、その禅僧を探した。

結婚式に呼ばれ、何かめでたいことを書いてくれと言われ「親が死に、子どもが死に、孫が死ぬ」と書いた。

凧が良く上がるようにと頼まれて「天上大風」と書いた。

掘っ立て小屋に住み、床下から伸びてきた竹の子のために、床板をはずした。
さらに伸びた竹が今度は天上板につかえそうになったので、ロウソクで天井板に穴をあけようとして、ボヤになった。

江戸時代の「愚僧」良寛様だ。

晩年は、僕の生まれた村に住み、20も下の尼僧とプラトニックラブに陥る。

今でも、村人は「良寛」の話をする時は、必ず「良寛さん」とか「良寛様」と呼ぶ。

200年以上たっても、村民に愛され続けている「良寛様」だ。


良寛遷化の地」に生まれ育った僕は、それが、ちょっとした自慢でもある。
 

 
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/9874/