質量生み出す仕組み証明

物質の質量が生まれる仕組みの一つとして予言されていた「クオーク凝
縮」という現象を、東京大学の早野龍五教授や理化学研究所などの研究
チームが実験で確認、米物理学会発行の「フィジカル・レビュー・レタ
ーズ」に発表した。

物質の構成要素である陽子や中性子は3個のクオーク*1から出来ているが、
このクオーク3個の質量を足しても、陽子や中性子の質量の2%にしか
ならず、残りの質量がどこから来るかは謎とされてきた。

それを説明しようと考えられたのが「クオーク凝縮」という現象。
陽子などを構成するクオークとは別の性質を持つクオークが、対にな
って陽子などの周囲にひしめきあって存在し、こ
のクオーク対が陽子などに質量を与えるとされる。

クオーク対の密度は真空中で最も強く、高温高圧になるほど弱まるとさ
れ、その割合については約20年前に予測されていた。


早野教授らはクオーク対の密度の変化を調べるため加速器でスズの原子
核内にクオーク2個でできたパイ中間子を入れ、その結合エネルギーか
ら密度を割り出した。その結果は予測された理論値とほぼ一致。これは
「クオーク凝縮」という現象の存在を間接的に証明したことになるとい
う。
物質の質量の起源については、ヒッグス粒子という未知の粒子の関与
が予測されており、世界の研究機関はヒッグス粒子発見を目指してい
る。今回、確認されたクオーク凝縮はヒッグス粒子によって生まれた質
量が、さらに増えるメカニズムを明らかにしたもの。

物理は門外漢なので、どんなに簡単に解説してくれても分からないが、「質量が生まれる仕組み」を実験で証明したということが凄いことだというくらいは分かる。

だってさ、「質量が生まれる仕組み」だよ!

宇宙が出来て10万分の1秒後に「質量」ができたらしいけれど、一体、質量が無いという状態がどんなものか想像すらできない。

今、僕が読んでいる「科学の大発見はなぜ生まれたか―8歳の子供との対話で綴る科学の営み」
ブルーバックス ヨセフ アガシ (著), Joseph Agassi (原著), 立花 希一 (翻訳)

この本の中で規定している「物理学における最も重要な問い」は、2500年前のギリシャ人科学者タレスによる「事物は何でできているか」というもの。
いまだに答えが出ていない・・・・・・。
・・・・・・・が、それにまた一歩近づいたといことだよね?

宇宙は自分を何で出来ているかを証明させるために「人類」を作ったという説もあるが、なんだか、だいそれた世界に足を踏み入れていきそうで、怖いと思う一方で、「根源」を知りたいとも思う。

僕が生きているうちに分かるといいな。

http://www.geocities.co.jp/Technopolis/9874/

*1:クオーク=物質を形づくる基本粒子。アップ、ダウン、チャーム、ストレンジ、トップ、ボトムの6種類がある。いずれも単独では観測されず、2個集まった中間子、3個集まった陽子や中性子が物質の基礎となっている。