■今週のテーマは「施設(治験実施医療機関)の選定」です。

■今週のテーマは「施設(治験実施医療機関)の選定」です。


ラディッツ赤木「先輩、施設の選定方法を教えてください。」

アブラハム「あれ? ラディッツ赤木君はまだ施設の選定を経験していないんだっけ?」

ラディッツ赤木「はい。僕が初めて担当した治験が、たまたま治験の後半だったので、SDVとCRFの回収、終了手続きは経験したんですが、治験の立ち上げの手続きを経験していないんです。」

薬作り職人「そっか。で、担当する治験は何?」

ラディッツ赤木「先日始まった偏頭痛の治験です。」

おきょう「となると、ターゲットはクリニックレベルね?」

ラディッツ赤木「はい、そうです。これから15施設ほど調査して、最終的には5〜8施設に絞る予定なんです。」

へい太郎「施設の選定ポイントは大きく3つ有る。」




クリニックの調査ポイント

1.GCP適合か?(特にクリニックの場合、緊急時の対応が万全か?)

2.治験責任医師候補は治験に積極的か?

3.CRCはいるか?




ラディッツ赤木「1番目の緊急時の対応って、具体的には何を調べればいいんですか?」

ゆ「普通さ、治験を大学病院とか国立病院等に依頼するときは、そういう施設には救急治療室があるわよね?」

ラディッツ赤木「そうですね。」

あんころ「だけど、クリニックの場合は、そういう設備が無いから、万が一、創薬ボランティアに重篤な有害事象等が発生した場合、近くの病院へ搬送可能かどうか、等を調べればいいのよ。」

ラディッツ赤木「なるほど。その搬送先の病院とクリニックとで、そういう契約が結ばれている必要がありますか?」

Binobin「治験依頼者の中にはそういう契約が結ばれているほうがいいとする会社もあるけれど、当社はそこまで要求しない。」

ラディッツ赤木「じゃ、治験責任医師候補に万が一の場合の対応を聞いて、それをモニタリング報告書に記載しておけばいいですか?」

ゆうこ「ええ。それでいいわよ。」



ラディッツ赤木「2番目の治験責任医師候補が治験に積極的かどうかって、これはどう調べたら分かりますか?」

ムーミン「そうね。まず、過去に治験の経験があるかどうか調べて、もし有るようだったら、その時は、何例の創薬ボランティアが治験に参加したか聞き出すのもいいわね。」

ラディッツ赤木「なるほど。」

アロウ「ほかには、治験そのものに対する興味の有無や、今回の治験薬に対する興味を探るのもいいね。」

ラディッツ赤木「それはどうすればいいのですか?」

かりん「それはね、治験に限らないけれどさ、ひとは興味がある話になると、自然に体を前に出してきたり、目の輝きが違ってくるわよね。そういうところを観察するのよ。」

アーリータイムズ「質問してくれるかどうかも、興味の有無に関係してくるだろうね。興味が有れば、自然と質問の数が増えてくる。」

おかめ「興味を持ってもらうような話し方もしないと。」

ラディッツ赤木「僕の話し方ですね?」

通りすがりのお方「そう。こちらの話し方に熱意が無ければ、当然、相手に熱意を持ってもらえない。」

ラディッツ赤木「なるほど。」

りら「その点は、あとで練習しましょう。」

ラディッツ赤木「はい、よろしくお願いします。」



なつきさんのお嬢さん「最後のCRCがいるかどうかは、もう分かるわね。」

ラディッツ赤木「ええ。でも、CRCがただいればいいというもんでもないですよね?」

チビ姫「もちろん。治験に積極的かどうか、GCPの知識はあるか、治験の担当経験、同意取得率はどれくらいあるか、などなども調査が必要ね。」

ラディッツ赤木「もし、そもそもCRCがいなかった場合はSMOを紹介すればいいですか?」

パチョレック池上「そうだね。ただし、その紹介するSMOもきちんとしたところを紹介しないと、あとで、自分の首を絞めることになる。」

モニ太郎「いずれにしても、治験責任医師やCRCとの良好な信頼関係を早く築くことが一番大切だ。」

ラディッツ赤木「そのためにはどうしたらいいでしょう?」

りんご姫「どうしたらいいと思う?」

ラディッツ赤木「う〜〜〜ん。。。。」

捨て猫「じゃ、それは宿題ね。」



デーモン部長「お〜〜い、みんな、自分のビジョンを作ったかな?」

ラディッツ赤木「あれ?我が社のビジョンを作るんじゃなかったですか?」

デーモン部長「最終的にはそうだけど、まずは、自分の将来ビジョンを持っていたほうが、自分が所属している組織のビジョンを作るときに役立つぞ。」


ラディッツ赤木「ビジョンね。う〜〜〜ん。。。。。ビジョンを作る時の基準ってありますか?GVP(グッド・ビジョン・プラクティス)とか?」

デーモン部長「それはないね。ちなみに『GVP』は『製造販売後安全管理基準(GVP:Good Vigilance Practice)』 のことだから。」

ラディッツ赤木「そっか。う〜〜〜ん。自分の将来ビジョンか。自分のことなのに治験実施医療機関を選定するより難しいや。」

デーモン部長「コーヒーでも飲むか?」