宇宙行きのエレベーター

ワシントンのAP通信によると、ブッシュ米政権が新宇宙政策で掲げた月面基地や火星有人探査と並行して、もう1つの構想が静かに進行しているらしい。

宇宙へ伸びる「軌道エレベーター」だ。

開発を担当する科学者らによれば、技術的な問題はすでにほとんどクリアされ、15年後には実現できる見通しだという。

ブッシュ政権が有人月面探査再開の目標年度とする2020年より1年早く、総工費約100億ドルのプロジェクトとして実現を目指す。

担当者は「新たな発明や発見は何も必要ない。予算さえ順調につけば、十分に実現可能だ」と強調している。

宇宙へのエレベーターは100年以上も前に、ロシアの科学者が提案。

米SF作家アーサー・クラークの「楽園の泉」(1979年)にも登場した。

エレベーターを使えば、宇宙への旅はより経済的に、安全になる。

宇宙まで伸びる構造物をどうやって作るかが最大の難問だったが、最近になって軽くて強い炭素系新素材「カーボンナノチューブ」が開発され、見通しが開けた。(「カーボンナノチューブ」って、こんなところでも活躍しているのね)

幅約1メートルで紙のように薄いカーボンナノチューブの「帯」を、地上から高度約10万キロまで伸ばし、エレベーターを走らせる――というのが計画だ。強度をさらに高めるための研究も、2年後には完了する予定だという。

ただ一方には、こうした見通しを疑問視する声もある。

物理学者でSF作家のデービッド・ブリン氏は「必要な技術を完成させるまでにあと1世代はかかる。本格的な実用化は、われわれのひ孫の時代になるだろう」と話している。


ひ孫の時代だろうと15年後だろうと関係無い。
要は、「できる」、「可能性は有る」というだけで十分だ。


で、この「軌道エレベーター」の終着点はどこ?