6兆円市場に特許論争 地理院とメーカー大揺れ

カーナビなどに使われている「電子地図」をめぐり、国土地理院と地図メーカーの業界団体が、東京都内のソフトウエア会社から「特許侵害」を指摘され、大揺れに揺れている。

ソフトウエア会社側は主要メーカーなどに損害賠償を求め提訴する構えで、本格的な特許論争に発展しそうだ。

電子地図は、測量図をコンピューターに読み込み、さまざまなデータと組み合わせて出来上がる。
カーナビのほかに、飲食店マップから水道・ガスの工事図面、営業マン向けの顧客台帳まで、用途は急速に拡大。
今や6兆円市場といわれる。
 
関係者によると、測量図をコンピューターに取り込む作業は1980−90年代初め、図上の家屋や道路などの輪郭の線をマウスでクリックしながらなぞり、点の連続として記録。
さらに点の1つ1つをつなぎ線にする手順で行われていた。
 
膨大な手間と経費がかかったが、元沖縄県職員の西石垣見治さん(53)が、輪郭の線をコンピューターにそのまま線として自動的に認識させる作図技術を開発。

92年に特許を出願した。
 
98年に特許が認められ、主要地図メーカーは特許庁に「無効」を申し立てたが2001年3月に却下され、西石垣さん側から「特許権確定」を通知された。
 
この時点で、西石垣さんの作図技術の原理は業界に広く普及していたとみられ、慌てた国土地理院は業界団体の「日本測量調査技術協会」(116社加盟)と情報交換するとともに同年11月、作製部門の担当者らを集め対策会議を開いた。


地理院の内部文書によると、会議では・・・

(1)地理院(とメーカー)が使用している作図システムは特許に抵触している旨の指摘を受ける可能性がある
(2)特許法との関連で法的対応の検討が必要

−との指摘があった。
 
しかし議論は紛糾。

結局、特許内容については「難解で解読が困難」と専門的な検討を棚上げしたまま「特許条件のすべてに該当しなければ、一部が触れても特許侵害に当たらない」との見解をまとめた。
 
その後、地理院特許庁に照会するなど対策を講じなかった。

調査技術協会も一度、弁理士を呼んで勉強会を開いたが方針は定まらず、対応は各社任せにしたという。
 
西石垣さんから特許権を譲渡され、提訴の準備を進めているソフトウエア会社「丸石デジタル」側は「特許は作図の原理で、一部抵触などはあり得ない。抵触するかしないかの2つに1つだ」と話している。


ここに「組織」の「無責任さ」と「いい加減さ」が如実に現れているよね。
なんでも「棚上げ」して、「対応は各社任せ」・・・出た〜〜〜〜!
やっぱり、どの業界でも同じだ。
笑えるな〜〜。

製薬業界も似たようなもんだもの。