問題解決力を鍛えるトレーニングブック
◆問題解決力とは何か? 問題解決力を身につけるということは、どういうことか。
それは、ビジネスや日常生活の様々な場面において、迅速に問題を発見し、それに対して素早く、確実で、効率的な対策を考える力(習慣)を身につけるということである。
この力は、ただ場数を踏めば身につくというものではない。
欧米のマネジメントでは、問題解決力は必須のスキルとして認識され体系化されている。
誰でも少しの学習とトレーニングをつめば、スキルを自分のものとすることができるのだ。
◆本書の特徴と読み方
これまでにも問題解決を扱った書籍はあったが、その多くが難しいスキルの紹介に終止していた。
執筆者は、ビジネスマンが問題解決スキルを理解し身につけるには、次のような要件を満たす書籍でなくてはならないと考え、本書を執筆した。
(1)問題を解決するための明確なプロセスが提示されている。
(2)より実践的な、実用的で手軽なツールが用意されている。
(3)スキルの解説だけでなく、演習の機会が設けてある。
◆あなたは今、大切な問題に気づいた!
これまで日本では、問題を見ても見ないふりをしたり、あいまいにして誰も責任をとらなかったり、問題解決がとても不明瞭であった。
しかし社会は大きく変わった。
問題を素早く見つけ出し、適切な解決策を見つけなければ、その問題の関係者だけでなく、組織全体の存続も危うくしてしまう世の中になった。
そのことは、いくつかの企業の不祥事の顛末を見れば明らかだ。問題解決力を身につけなければ、これからの時代、企業も個人も生き抜くことはできない。
読者もこのことをどこかで感じていないだろうか。
そう感じた皆さんの認識は、とても大切だ。
というのも、問題解決の成否を左右する一番重要なポイントは「問題に気づくか否か」なのだ。
そしてあなたは今「社会で通用するビジネスマンになるために、問題解決力を身につけたい」という、大きな問題を発見しているのだ。
本書は、あなたのその問題を解決する手引書となるだろう。
問題解決には、囲碁の定石のような体系化されたスキルがある。
本書で紹介する「基本手順」と「7つのツール」がそれだ。
これさえ身につければ、いかなる問題に取り組もうとも、確実に、効率的に解決への道を進むことができる。