治験担当モニターに向いている人とは
インターンシップや就職活動の補助などのため、学生との係わり合いが多くなってきた。
そんな中で必ず学生から出てくる質問は「治験担当モニターに向いている人とは?」というものだ。
どんな性格の人がモニターに向いているのか、モニターになるために必要な資格やスキルは何か? という質問が多い。
まず、「どんな性格の人がモニターに向いているか?」だが、これをモニターの仕事から考えてみよう。
モニターは治験実施医療機関に出向き、治験責任医師や治験分担医師、CRC、治験事務局など等の人たちと会い、仕事をする。
そうなると、ここはやはり「人見知り」しないほうがいい。「ひとと出会うのが好きだ。ひとと一緒に仕事をするほう一人で仕事を黙々とするよりも好きだ。」という性格のほうが、モニターに向いていそうだ。
逆に「ひとりで仕事を黙々とやる方が好きだ。」とか「ひとに会うのがおっくうだ。」というひとはモニターには向いていない。
だから、どちらかというと『内向的』よりも『外交的』な性格のひとのほうがモニターの仕事に向いている。
じゃ、『内向的』なひとが絶対にモニターに向いていないか、というと、実はそうとも限らない。
ただ『おしゃべりな』で約束を守らないモニターよりも、口数は少ないが『信頼のおける発言や行動』をとるモニターのほうが治験関係者から信頼を得ることは間違いない。
仕事のスタイルで言うと『内勤、ディスクワーク』をしているよりも『外勤、出張の多い仕事』のほうが好きだ、というひとはモニターに向いている。
しかし、モニターの仕事に『内勤、ディスクワーク』が無いかと言うと、とんでもない、もちろん多い。
僕は『外勤、出張の多い仕事』よりも『内勤、ディスクワーク』のほうが圧倒的に好きで、モニターから「一日中、会社にいて机に向かっているとおかしくなりませんか?」とよく質問される。
とりあえず「おかしくなっている」が、辛いことはない。
『積極性』はモニターに限らず、社会人に求められていることだが、モニターは特に『臨機応変さ』も持ち合わせた『積極性』が有るといい。
治験実施医療機関で、モニターは治験責任医師や治験関係者から『思わぬ』質問や対応を迫られることが少なからずある。
それをいちいち「社に戻って検討させてもらいます」と言っていては、仕事にならない。
治験担当モニターに向いている人としては、さらに『誠実さ』が求められる。
まぁ、これもまた、何もモニターだけに求められるものではないが、医療関係者と信頼関係を構築することがモニターには強く求められるので『誠実さ』は、本当に大切な要素だ。
『仕事が丁寧』というのも、モニターに求められるものだろう。
たとえば、SDV。SDVを雑にやるモニターの治験データは信頼性に欠ける。
もちろん、健康で、体力があって、精神的にも肉体的にもタフなひとがいい。
以上が、大雑把に言って、モニターに向いている人の性格や特徴だ。
では、次にモニターに必要なスキルは何だろう?
コミュニケーションスキル、プレゼンテーションスキル、交渉力、読解力、対人スキル・・・・・・これまた、数えだしたらキリがない。
このあたりのスキル関係は、会社に入ってからいくらでも研修を受けるチャンスがあると思うので、最初から、このようなスキルが無くても、全然、構わない。
その他の学生からの質問で興味深かったものは『自分に合った仕事をするべきか?それとも自分がやりたい仕事をするべきか?』というものだ。
普通は、自分に合っているので、それをやりたくなるのが仕事だと思うのだが、学生の立場で考えると、もう少し難しい。
学生にしてみれば、まだ経験をしたことがない臨床開発の仕事、モニターの仕事の話しや、会社の担当者からの説明を聞いただけで、その仕事が、自分に合っていて、自分がやりたい仕事だ、と簡単には判断できないだろう。
そりゃそうだ。また、実際にやったことがない仕事が自分に適しているかどうかなんて、分かりっこない。
ただ、人に会うのが苦手、人と話すのが苦手、というひとにはモニターの仕事は自分に向いてないかも、とはわりと素直に思えるだろう。
また、学生のうちから、自分がどんな仕事に合っているか、適しているかを正確に判断することは難しい。
なので、僕としてはまず『自分がやりたい仕事に就く』ことをおすすめします。
モニターの仕事の説明を聞き、それを「やってみたい!」と思えるかどうか、だ。
「やってみたい!」と思う理由は様々だと思うが、この場合、その理由は問わない。
とにかく、あなたが「やってみたい!」と思うことが大切なのだ。
モニターとしてのスキルや適正が自分には無いと思ったとしても、それ以上に「モニターの仕事をやってみたい!」というならば、迷わず、モニターの仕事をまずはやってみることをお勧めします。
スキルなんてものは、あとで練習すればなんとかなるものです。
それよりも大切なのは内に燃える「やってみたい」という想いだ。
最後に。
どんな仕事をやるにしても、絶対に必要なのは『情熱』です。