あなたも治験のプロジェクトリーダー(その2):不測の事態に対応す

先週の続きで「治験のプロジェクト管理を模擬研修している」ところです。


こさめ「治験の進捗で関連する部署としてはまず薬事部かしら。」

スナフキン「治験届の提出をお願いしているからね(当社の場合)。」

くりこ「監査も治験届を出したあとにやりたいと言っていたわ(当社の場合。以下、同じ)。」

大黒「治験薬の準備も早くから製造部門と協力してやらないとダメだ。」

社長秘書「今回はダブルブラインドでやるから、治験薬の割付けの予定もいれておかないとね。」


るみ子の酒「はい、ここで、製造部門から緊急の連絡が入ったという想定です。」

オチケン「え〜〜!?そんなのもあり?」

十条「急に治験薬の製造が2ヶ月遅れることが分かった。」

JOYママ「一体、どうしたの?」

ぷか「先日の水害で原料の調達が間に合わない・・・・・という想定らしいわ。」(実際に、僕は似たような経験をした。 by ホーライ)


カッコ亀井「どうする?ここは思案のしどころだ。」

MT「そのまま予定を2ヶ月遅れにするのでは芸が無い、と言うか、能が無いわね。」

ぽちりん「たとえ2ヶ月遅れで始まったとしても、終わりは予定どおりにする必要があるのよ。」

BECK「じゃ、どこで調節できるかを検討してみようか。」



ハレ〜「まず、施設の選定、契約は予定通りに勧める、のはいいよね。」

ヨネヤマ「うん、契約してから、しばらく治験薬が来ないことは、関係者に伝えておこう。」

ちゃちゃ「当初の予定では、治験薬の交付は2007年の8月で、FPI(First Patient In:最初の創薬ボランティアが治験に参加した日)が9月。」

黒丸「その8月が10月になってしまうわけだ。」

フロリス「そうなると、FPIは11月?」

さら「そんなことはないわ。既に施設との契約は済んでいるから、治験薬の交付までの間にCRCや治験責任医師・治験分担医師の皆さんに、予め創薬ボランティアになりそうな患者さんを選んでおいてもらいましょうよ。」

かずさ2号「そうだ。そすれば治験薬の交付、即、創薬ボランティアの参加なら、10月にFPIが可能だ。」



みっちーK「10月からなら、まず、ここで1ヶ月の短縮ね。」

ピース「あと1ヶ月の短縮は可能かしら?」

フクちゃん「単純計算でいくと、400例の登録を6ヶ月ということよ。」

てぃん「1ヶ月に70人弱。70人として、40施設だから、1施設、1ヶ月に2人だわ。」

澤田「また、別のアクシデントが起こってもいいように、考えておくと、1ヶ月に3人を目標にするといいよ。」

かき氷「どう?できそう?」



のの「はい、では、ここで競合品の開発状況です。」

トモチカ「あら、研修中に色んな情報が時間を追って出てくるあたり、とてもリアルな想定でいいわね。」


ken2「で、競合品は、今、いくつあるの?」

吉野川 みなみ「3品目ある、という想定よ。」

さりさり「そのうち、最もライバルになりそうなのがXX会社のWWWという治験薬。」

ZOO(ズー) 「僕たちよりも3ヶ月先行して、治験を開始している。」

ペイン「だから、僕たちがFPIを予定している頃には、そのWWWの治験が真っ盛りで、こちらに創薬ボランティアが参加してくれる(と言うか、正確に言うと、治験責任医師や治験分担医師がこちらを紹介してくれる)か、危うい状況、というわけね。」

アブラハム「どうする?」

薬作り職人「WWWと『HORAI-22noTANE』の徹底的な区別化をして、それを治験責任医師や治験分担医師にアピールしましょう。」

おきょう「そのために必要なのは、『HORAI-22noTANE』をどれだけモニターが愛せるか、ということよね。」

へい太郎「そうだね。自分が信じていない治験薬を他人にアピールなんてできない。」

ゆ「絶対に、この治験薬を世の中に出すんだ、という気迫がないと、治験責任医師や治験分担医師に熱意が伝わらないからね。」




*みなさん、自分が担当している治験薬を愛していますか? 好きですか? いい治験薬だと思っていますか?

*あるいは、自分の今の仕事を愛してやまないですか?

*胸に手を当てて考えてみましょう。




あんころ「その上で、他社の競合する治験薬との区別化をはかりましょう。」

Binobin「区別化するためには、競合品のデータが必要だけど?」

ゆうこ「それは、治験責任医師や治験分担医師、CRCからの評判でもいいと思うわ。」

ムーミン「じゃ、その情報収集のタイミングも予定に加えておきましょう。」

アロウ「モニターって、いろんなことができないといけないんだね。」(はい、そうなんです。 by ホーライ)



*この物語はフィクションです。





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