僕らは別々の夜道を歩く旅人
気がつくと、一本道を歩いている。
それも、二度と戻れない一方通行の道を。
歩いているときは、こんなところ、さっさと行過ぎてしまえばいいと思っているけれど、通り過ぎてしまうと、もっと楽しめばよかった、とか、もっといろんなことを見ておけばよかったとか思う。
それに、さっきまで、みんなと同じ道を歩いていると思ったら、みんな、自分の道を歩いてるだけなんだということに気がついた。
誰も助けてくれない。でも、それはお互い様で、僕も誰も助けることなんてできないんだ。
でもね、いいんだ。何がいいんだと言うとね、きみが(あなたが、おまえが)そこに「居る」というだけ、僕は助けられている。
たとえ、同じ道を歩いているのではなくても、みんな、どうせ同じ方向に向かって歩いているのだから。
手が届かないかもしれないけれど、そこにきみが(あなたが、おまえが)「居る」だけで、僕は勇気付けれらる。
僕、ひとりじゃないんだと。