コレステロール生成を解明 阪大、タンパク質分析で

 ある種のタンパク質細胞内のコレステロールの生成を促す仕組みを、大阪大の米田悦啓教授(細胞生物学)らの研究グループが兵庫県の大型放射光施設「スプリング8」のエックス線で結晶を分析して解明、28日付米科学誌サイエンスに発表した。
 
この仕組みを逆に生かして生成が抑えられれば、コレステロールの増加が原因の生活習慣病などで、新薬開発につながる可能性があるという。
 
このタンパク質は細胞質にあり、輸送因子と結び付くと細胞核の内部に入って遺伝子に取り付き、コレステロールを生成させる。研究グループは、タンパク質が輸送因子と結び付いた状態のまま結晶化させ、エックス線で調べた。
 
その結果、タンパク質は輸送因子のへこみにはまり、さらに因子側のアミノ酸2本に、はしで挟まれるように固定されて運ばれていた。