●治験のあり方を考える(4)日本の治験の促進方法

各製薬会社、治験依頼者は少しでも治験を促進させるために様々な方法をこれまでにも取っている。
例えば、新聞や折込広告、インターネットのウェブサイトなどに「創薬ボランティア募集」の案内を出す。
これは僕の経験から言って、それなりの効果がある(と言っても、あくまでも「それなり」であり「絶大な」効果ではない)。

治験実施医療機関、病院、クリニックでは院内で「創薬ボランティア募集」のポスターを貼ったり、自分のところのウェブサイトに募集案内を出してもいる。
これも、それなりの効果がある。

いずれも「それなりの効果」なのだが、では、「絶大な効果」が出る方法が有るのだろうか?

はっきり言って、決定打は無い。
何故なら、治験の進みが遅いという現象の原因が複雑に絡み合いながら数多くあるからだ。

でも、治験の促進に直接的な影響を及ぼす因子は2つに絞られる。
それは「患者」と「医師」だ。
治験はこの2つの因子が相互に絡み合いながら進んでいく。
治験が開始される場面は、まず医師が患者に治験に参加する意思がないか、打診するところから始まる。