●治験のあり方を考える(3)日本が国際共同治験に参画できるように
この現状をどう乗り越えるか?
製薬会社が日本で率先して治験を行うようになるにはどうしたらいいのだろうか?
それは、もちろん、それだけのメリットが日本の治験実施に有ればいいのだ。
製薬企業における治験の課題は1.スピード、2.コストだ。
コストはもちろん安いに越したことはないのだが、もしスピード(治験の進行速度)がそれなりに速いのであれば、コストはそれほど気に
しない。(製薬会社にとっては「お金」より「時間」が大切なのだ。)
だから、アメリカやヨーロッパやアジアの諸国で治験をやるよりも、日本で治験を行うほうが、圧倒的に速いのであれば、なんの文句も無
く世界同時開発や国際共同治験などと言わず、日本先発治験も厭わないだろう。(なにしろ、日本は医薬品市場では世界で2番目の国なの
だから、そこでいち早く新薬が承認されたら、それはそれは製薬会社にはとてもメリット大なのだ。
今の日本ではとにかく治験の進行が遅い!! 日本の治験の課題はこれにつきる。
安全にそして速く治験が進む方法を考えてみよう。
●治験のあり方を考える(2)新薬の世界同時開発を考える
ところで、このように海外で治験を先行させ、もしその結果が良ければ日本国内で治験を開始する、というやり方は海外諸国から非難の対
象になることも考えられる。
つまり、「危ない」治験を海外の人で試して、もし安全で有効なら日本国内で治験をやるということはいつもの「いいとこどりの日本」で
はないか、という非難だ。
この非難に対して説得力のある「言い訳」は存在しない。(たとえ、国内企業に「そんな意図」がなかったとしても、だ。)
そんなことも含めて世界同時開発、国際共同治験を進めるべきだという考え方もある。
しかし、いずれにしても世界同時開発や国際共同治験が進むかどうかは、その結果コスト的にもリスク的にもリーズナブルであり、十分に
見返りが企業に期待できるかどうか、という市場原理に左右されることだろう。(僕はそう思っている。)
ただ、大義名分的に「我が社はリスクを冒してでも、国際共同治験を推進する、それこそが製薬会社の使命だ」という売り文句は使える。
もちろん、心の底からそう思って、国際共同治験、世界同時開発を推進している会社も無いわけではない。
ここで、一般市民(特に患者)にたって、新薬の世界同時開発を考えてみよう。
最近、「ドラッグラグ」という言葉が製薬業界で使われ始めた。
ドラッグラグとは、海外では新薬が使われているのに日本ではまだ承認されておらずその新薬が使われていない状況を指す。
例えばアメリカで標準的に使用されている抗がん剤が、日本ではまだ承認されておらず、がん患者に使用できない、という悲惨な状況だ。
このドラッグラグを解消する方法として、一般的に「世界同時開発」(国際共同治験)が推奨されている。
(もちろん、世界同時開発よりいいのは、「日本先発開発」なのだが。)
ところで、本当に「世界同時開発」(国際共同治験)が進めば、ドラッグラグが解消するのだろうか?
実は、そうは簡単にはいかない、というのが僕の考えだ。
たとえ、世界同時開発(国際共同治験)で新薬の開発を行ったとしても、今の日本では明らかに海外よりも治験の進み方が遅い。
つまり、日本人のデータ集積が遅いのだ。
そうなると、結局、日本の治験の終了を待たずに海外の治験が終了した時点で海外では承認申請され、結局、日本の新薬の承認は海外より
も遅くいまま、というのが僕の予想だ。
●治験のあり方を考える(1)製薬会社の正直な気持ち
「治験のあり方」を考える。
治験はどうあるべきなのだろうか?
まず、治験に参加していない一般的な患者(つまり、普通のひと全て)にとって、治験は「新薬開発の場」であり、とにかく、早く画期的な新薬を世の中に出して欲しいと思うものだ。
なにしろ、僕だって、いつ抗がん剤のお世話になるか分からない。
あるいは、僕の家族、あなたの恋人が難病になるかもしれない。
そんな時に、治療薬が有って欲しい。
そのためには、まず「画期的な新薬の卵」が必要なのだが、もしそれが有ったとしても、日本での開発が海外よりも遅れていたら、僕なら怒る。
例えばアメリカでその画期的な新薬の開発が先行していて、もう来月には承認され、臨床の現場で使われるというときに、日本ではまだ開発の予定は無いとか、今、準備中だとか、来年には治験が終わるだろうとか、とにかく、日本以外のところで利用されている薬が日本で(しかも自分の家族や自分自身や恋人、友人など)まだ使われないとなったら、怒る。同時にがっくりくる。
じゃ、日本でも早く治験をやってよ。せめて、アメリカで開始すると同時に日本でも開始してよ、と思うのだが、ここに製薬企業の営利企業としての市場原理が働く。
新薬開発に関わる膨大なコストをできるだけ早く回収したいと思ったら、まずは日本より治験が早く進むアメリカなどを開発の最初の場所として選ぶ。
ここで、一般市民の方は、日本での治験の進み方が遅いのなら、まずは日本から始めるんじゃないの?と思う。
その感想は正しい。
じゃ、何故、製薬会社はまずアメリカだけで治験を始めるのか?
それは、開発が途中で頓挫する可能性もあるからだ。
もし、途中で開発が頓挫するなら、日本や世界各国で同時に開発をするのはリスクが大きすぎる。
アメリカで治験を最初にやるのは、だからパイロット的な意味もあるのだ。
アメリカでうまくいったら、日本でも、というのが製薬会社の正直な気持ちだろう。
史上最強のチームとは?
大阪で開催されている世界陸上で、日本の4*100mリレー、男女とも入賞を逃したものの日本新記録を出した。
(特に日本の男子は決勝でもかなりいい線までいったよね。)
陸上競技は基本的に徹底的に個人競技だが、このリレーと駅伝に関して言うとチーム競技だ。
だから、リレーや駅伝に出場する選手は、自分の得意競技で闘う以上に、緊張する。
僕たちが関わっている新薬開発の仕事も同様だ。
治験にくるまでに、基礎研究のスクリーニングから始まり、薬効薬理試験、一般薬理試験、各種の毒性試験を経て、治験となる。
治験に入ってからも、フェーズ1の臨床薬理試験、フェーズ2の探索的臨床試験、フェーズ3の検証的臨床試験と繋がっていく。
無事に製造販売承認を得たとしても、そこからさらに、もっと本格的なフェーズ4としての調査が始まる。
モニターの仕事は(ひょっとしたらCRCの仕事も)、個人経営店的な仕事になりやすい。
モニターの場合、通常、ひとりで数施設の医療機関を担当する。
担当となった医療機関での治験に関して、そのモニターは全責任を負うことになる。
治験がGCPを守って行われているか、予定どおりのスピードで進行しているか、予定どおりに(あるいは予定よりも早く)終了するか、これら全てがひとりのモニターにかかってくる。
これだけ見ると、徹底的な個人競技のように思えるが、実は少し違う(特に日本の場合)。
例えば50施設の治験の場合、大抵、7,8人位のチームを組んで、治験が行われる。
このチームが上手くチームワークを発揮できるかどうかに、治験の成功がかかってくる。
治験が順調に行っている場合はいいのだが、普通、そんなことはまず無い。
なにかしら、いつも、問題を抱えて治験は進んでいく。
どこそこの病院でプロトコル違反が多発した、とか、予定通りに治験が進んでいないとか、途中でチームの誰かが転職するとか・・・・・・など等。
このような問題が発生した時にこそ、そのチームの真価が問われる。
また、SDVの際にはお互いに助け合ったりもする。
欧米のモニターの場合は、もっと個人競技的性格が徹底しているが、その点、日本ではチームワークがまだ威力を発揮する余地がある。
今後、世界同時開発、国際共同治験になった時に、日本の強みを見せられるかどうかは、この独特のチームワークが発揮できるかどうかにかかってくる(弱点になる恐れもある)。
優秀なモニターが集まれば優秀なモニター集団となるかというと、そうもいかないことが多い。
逆にごく普通のモニターが集まって、極めて優れたチームとなることも、多々有る。
この差はどこにあるのか?
日本人は他国に比べてチームプレーが得意と言われたり、チームワークが良いと言われたりするが、実は、何故、そうなのかがあまり検討されていない。
(ただ単に、個人競技が弱くて、それに比べたらチームプレーがまだまし、ということではないことを祈りますが。)
チームとしての強さはもちろん、チームリーダーに拠るところが大きいが、それだけでもない。
治験の場合、どのようなチームが素晴らしい成績を生むかを考えてみるのも、組織全体の質を向上させる意味からも意義がある。
あるいは、どんなことをすれば、史上最強のチームになるのか。
たまには、こういうことを真剣に考えてみるのもいいだろう。
治験担当モニターに向いている人とは
インターンシップや就職活動の補助などのため、学生との係わり合いが多くなってきた。
そんな中で必ず学生から出てくる質問は「治験担当モニターに向いている人とは?」というものだ。
どんな性格の人がモニターに向いているのか、モニターになるために必要な資格やスキルは何か? という質問が多い。
まず、「どんな性格の人がモニターに向いているか?」だが、これをモニターの仕事から考えてみよう。
モニターは治験実施医療機関に出向き、治験責任医師や治験分担医師、CRC、治験事務局など等の人たちと会い、仕事をする。
そうなると、ここはやはり「人見知り」しないほうがいい。「ひとと出会うのが好きだ。ひとと一緒に仕事をするほう一人で仕事を黙々とするよりも好きだ。」という性格のほうが、モニターに向いていそうだ。
逆に「ひとりで仕事を黙々とやる方が好きだ。」とか「ひとに会うのがおっくうだ。」というひとはモニターには向いていない。
だから、どちらかというと『内向的』よりも『外交的』な性格のひとのほうがモニターの仕事に向いている。
じゃ、『内向的』なひとが絶対にモニターに向いていないか、というと、実はそうとも限らない。
ただ『おしゃべりな』で約束を守らないモニターよりも、口数は少ないが『信頼のおける発言や行動』をとるモニターのほうが治験関係者から信頼を得ることは間違いない。
仕事のスタイルで言うと『内勤、ディスクワーク』をしているよりも『外勤、出張の多い仕事』のほうが好きだ、というひとはモニターに向いている。
しかし、モニターの仕事に『内勤、ディスクワーク』が無いかと言うと、とんでもない、もちろん多い。
僕は『外勤、出張の多い仕事』よりも『内勤、ディスクワーク』のほうが圧倒的に好きで、モニターから「一日中、会社にいて机に向かっているとおかしくなりませんか?」とよく質問される。
とりあえず「おかしくなっている」が、辛いことはない。
『積極性』はモニターに限らず、社会人に求められていることだが、モニターは特に『臨機応変さ』も持ち合わせた『積極性』が有るといい。
治験実施医療機関で、モニターは治験責任医師や治験関係者から『思わぬ』質問や対応を迫られることが少なからずある。
それをいちいち「社に戻って検討させてもらいます」と言っていては、仕事にならない。
治験担当モニターに向いている人としては、さらに『誠実さ』が求められる。
まぁ、これもまた、何もモニターだけに求められるものではないが、医療関係者と信頼関係を構築することがモニターには強く求められるので『誠実さ』は、本当に大切な要素だ。
『仕事が丁寧』というのも、モニターに求められるものだろう。
たとえば、SDV。SDVを雑にやるモニターの治験データは信頼性に欠ける。
もちろん、健康で、体力があって、精神的にも肉体的にもタフなひとがいい。
以上が、大雑把に言って、モニターに向いている人の性格や特徴だ。
では、次にモニターに必要なスキルは何だろう?
コミュニケーションスキル、プレゼンテーションスキル、交渉力、読解力、対人スキル・・・・・・これまた、数えだしたらキリがない。
このあたりのスキル関係は、会社に入ってからいくらでも研修を受けるチャンスがあると思うので、最初から、このようなスキルが無くても、全然、構わない。
その他の学生からの質問で興味深かったものは『自分に合った仕事をするべきか?それとも自分がやりたい仕事をするべきか?』というものだ。
普通は、自分に合っているので、それをやりたくなるのが仕事だと思うのだが、学生の立場で考えると、もう少し難しい。
学生にしてみれば、まだ経験をしたことがない臨床開発の仕事、モニターの仕事の話しや、会社の担当者からの説明を聞いただけで、その仕事が、自分に合っていて、自分がやりたい仕事だ、と簡単には判断できないだろう。
そりゃそうだ。また、実際にやったことがない仕事が自分に適しているかどうかなんて、分かりっこない。
ただ、人に会うのが苦手、人と話すのが苦手、というひとにはモニターの仕事は自分に向いてないかも、とはわりと素直に思えるだろう。
また、学生のうちから、自分がどんな仕事に合っているか、適しているかを正確に判断することは難しい。
なので、僕としてはまず『自分がやりたい仕事に就く』ことをおすすめします。
モニターの仕事の説明を聞き、それを「やってみたい!」と思えるかどうか、だ。
「やってみたい!」と思う理由は様々だと思うが、この場合、その理由は問わない。
とにかく、あなたが「やってみたい!」と思うことが大切なのだ。
モニターとしてのスキルや適正が自分には無いと思ったとしても、それ以上に「モニターの仕事をやってみたい!」というならば、迷わず、モニターの仕事をまずはやってみることをお勧めします。
スキルなんてものは、あとで練習すればなんとかなるものです。
それよりも大切なのは内に燃える「やってみたい」という想いだ。
最後に。
どんな仕事をやるにしても、絶対に必要なのは『情熱』です。
それは治験参加者に失礼だ!!
▼『治験対象母集団の選択・組み入れ基準』
カッコ亀井「じゃ、今日は治験の総括報告書の『治験対象母集団の選択』から検討していきます。」
MT「まず、最初に『組み入れ基準』ね。プロトコルで言うならば『選択基準』です。ここでは、その設定根拠、理由を説明することになっています。」
ぽちりん「ポイントとしては、『治験の目的に照らして、その母集団が適切であるかどうか』だわね。」
BECK「そのためにはどんなこを書くの?」
ハレ〜「そうね。例えば、特定の診断基準とか、疾患の重症度、罹病期間などは、たいていのプロトコルで規定しているよね。」
ヨネヤマ「その他にも、もし、プロトコルで用いている特定の検査や評価方法が有れば、そのことを書き、また、その設定根拠なども書いたりする。」
ちゃちゃ「となると、ここで、一番大切なことは『設定根拠』と言うことかしら?」
黒丸「そういうこと。この総括報告書のガイドラインが公表されてから何が変わったかと言うと、実はプロトコルの作り方や記載方法が大きく変わったんだよ。」
フロリス「どういうこと?」
さら「この総括報告書で、必ずそれぞれの項目について『設定根拠』を書くことになったので、プロトコルを作る段階から、そこを明示的に示していかないと駄目なんだ。」
かずさ2号「だから、今のプロトコルでは、必ず、選択基準や除外基準の『設定根拠』が記載されているわけ。」
みっちーK「なるほどね。」
あんみ2「このあたりは、治験の総括報告書作成ガイドラインでは、どう規定しているの?」
ピース「下記のとおりよ。」
9.3 治験対象母集団の選択
9.3.1 組み入れ基準
患者母集団及び患者を治験に組み入れるために用いた選択基準を記述し,治験の目的に照らしてその母集団が適切であることを考察すること。
用いられた特定の診断基準及び疾患に要求される特定の事項(例えば,特定の重症度又は罹病期間,特定の検査,評価尺度若しくは身体的検査の結果,前治療が有効とか無効というような特定の病歴上の特徴,又は予後因子である可能性のある他の因子及び年齢,性別若しくは人種的因子)を提示すること。
スクリーニングの基準及び無作為化時又は治験薬による治療への組み入れ時に判断するための追加基準について記述すること。
治験実施計画書では定義されていない付加的な組み入れ基準があったと考えられる理由がある場合には,それらの意味合いについて考察すること。
例えば,治験責任医師によっては,特定の病態又は特定の初期状態を有する患者を除外したり,他の試験に組み入れたりしたかもしれない。
フクちゃん「今後、もし、新薬の世界同時開発とか、国際共同治験となると『人種的因子』あたりも重要になってくるわね。」
てぃん「そうだろうね。そのあたりは、さらに、解析計画書でも詳細に設定していく必要がある。」
▼『治験対象母集団の選択・除外基準・患者の治療又は評価の打ち切り』
澤田「じゃ、次は『除外基準』だね。これも基本は『選択基準』と同様の記載方法をとります。」
かき氷「問題は、次の『9.3.3 患者の治療又は評価の打ち切り』だわ。途中で治験を打ち切った創薬ボランティアがいた場合の対応方法について記載することってところね。」
のの「ガイドラインでは次のように規定しています。」
9.3 治験対象母集団の選択
9.3.2 除外基準
治験への組み入れ時点での除外基準を特定し,その根拠(例えば,安全性への配慮,管理上の理由又は治験対象としての適切性の不足)を示すこと。
試験結果を一般化する際の除外の影響について,報告書13章又は安全性及び有効性の総括的な分析のなかで考察すること。
9.3.3 患者の治療又は評価の打ち切り
患者の治療又は評価観察を打ち切る理由があらかじめ定められていれば記述し,さらにそれらの患者についての追跡観察の種類と期間が計画されていれば記述すること。
トモチカ「ここで話がややこしくなるのは、個々の創薬ボランティアで、治験を打ち切った理由が様々あるからね。」
ken2「そうね。GCP違反、プロトコルからの逸脱というような場合から、さらには有害事象や副作用の発生に伴って治験を打ち切った場合、また、創薬ボランティアからの申し出による治験の打ち切り、治験責任医師や治験分担医師の医学的判断による中止とかね。」
吉野川 みなみ「GCP違反やプロトコルからの逸脱では、重大な場合は、その創薬ボランティアの全データを解析から外さないといけない場合もある。」
さりさり「それは悲惨。というか、創薬ボランティアに対して失礼だわ。」
ZOO(ズー)「そのとおり。創薬ボランティアが命がけで、文字通り、命をかけて治験に参加したのに、たとえばモニターの怠慢やCRCの不注意などで、GCP違反を起こしてしまったり、重大なプロトコル違反を起こしてしまったら、せっかくのデータが全て、水の泡になる。」
ペイン「なんのために、創薬ボランティアが治験に参加したか、分からない。」
アブラハム「もし、私が同じ立場の創薬ボランティアだったら、怒るわね。」
薬作り職人「まったくだ。」
おきょう「でも、そういうことさえ、創薬ボランティアには伝えられないわ。」
へい太郎「いいんだろうか?」
ゆ「駄目じゃない?」
あんころ「もし、モニターの怠慢でその創薬ボランティアの治験データが使えなくなったら、治験依頼者は謝罪すべきかもしれないな。方法はどうあれ。」
Binobin「私が悩みに悩んだ末に参加した治験。痛い思いをして検査まで受けて、プラセボかもしれないとか、未知の副作用が出るかもしれないという不安を抱えて参加していた治験。それで、データは不採用、って何?って感じだよね。」
ゆうこ「うん。そうそう。」
ムーミン「みんなはどう思う?」
デーモン部長「せめて、あなたの治験データはどう使われました、あるいは、こういう理由で使われませんでしたということぐらいは、報告するのが最低の礼儀だろうな。」
予想以上のインターシップ参加学生
今日で3日間のインターンシップが終わった。
参加した学生は予想以上に「しっかり」していて「できる」学生だった。
インターンシップが始まる前は、カリキュラムを見ながら「ヘルシンキ宣言」のレクチャーなんて寝るだろうな、ましてや「GCP概論」なんて、法律で絶対に聞いてくれないだろうな、なんて思っていたら、大間違い!!
全てのレクチャーをしっかりと聞き、かつ、質問もビシバシ飛ばしてくる。
さらに、ロールプレイングで、僕が変化球を投げても、ガシッと受け止め、逆に僕がたじろぐ質問をしてきた。
いやはや、たいしたもんだ。
もうさ、大学行かなくていいから、明日から、うちにきて働かない? っていう感じだったな。
なによりも、飲み込みが速くて、吸収がよくて、3日間の中でも、グンと成長するのが見て取れた。
若いって凄いよね。
しかも、よくよく考えたら、うちの長女と同い年だ。。。。いやはや。